
「忙しくてAIどころじゃない」を抜け出すための、時間の意思決定
2025/12/17
こんにちは、おぐりんです。
AIの定着についてご相談を受けていると、かなりの頻度でこういう声をいただきます。
「今の業務が忙しくて、なかなかそこに手が回らないんです」
正直、めちゃくちゃわかります。
そしてこれはAIに限らず、あらゆる業務改善の文脈で起こる“あるある” だとも思っています。
今ある業務で毎日パンパン
その業務を維持するために、さらに時間を使っている
改善したいのに、その改善のための時間が取れない
このループから抜け出さない限り、どれだけ「AIが大事」と頭でわかっていても、現場は変わりません。
だからこそ、どこかで時間の使い方そのものに対して、意思決定をしないといけない。
今日はその「意思決定」の具体的な選択肢について、整理してみたいと思います。
中途半端な「空き時間でやろう」は、まずうまくいかない
よくあるパターンがこれです。
「ちょっと時間が空いたタイミングで、AIの活用も進めていきましょう」
気持ちは本当にわかるんですが、
残念ながらこのアプローチでうまくいくケースは、ほぼ見たことがありません。
理由はシンプルで、
「空き時間」がそもそも発生しない
発生しても、目の前の「急ぎの案件」に飲み込まれる
結果として、AI定着は “永遠の後回し” になる
からです。
なので、僕は 「中途半端なスキマ時間でなんとかする」 ではなく、
最初から “時間の枠” を決めてしまうこと を強くおすすめしています。
その前提で、現実的な選択肢は大きく2つだと考えています。
選択肢1:社内で「AI専任の時間」をつくる
1つ目は、社内に専任の役割(時間)をつくることです。
ここでいう「専任」は、必ずしもフルタイムである必要はありません。
週に○時間
毎日1時間だけ
このプロジェクト期間中は、業務の20%をAI推進にあてる
など、カレンダー上で時間が見える形にしてしまうことが大事です。
ポイントは、
「空いた時間でやる」ではなく
「この時間はAI定着のために使う」と決めてしまう
ということ。
この時間を使って、
社内の業務を棚卸しして、どこにAIを組み込めるか検討する
試してみた結果を簡単に記録し、ナレッジとして貯めていく
小さな成功体験をつくり、チーム内で共有する
といった動きを専任で回してもらうイメージです。
誰の時間も“削らないまま”AIを進めることはできない ので、
どこかの誰かの時間を、意図的に「AI推進のための時間」に変える必要があります。
選択肢2:外部パートナーを入れて「風穴」をあける
2つ目は、外部の力を借りるやり方です。
自分たちだけだと、何から手をつければいいかわからない
そもそも業務が忙しすぎて、調べる時間すら取れない
社内にAIの得意な人がいない
こういうときは、外部の人間に「風穴をあけてもらう」のが有効です。
ただし、ここでもう一つ大事な前提があります。
外部に頼んでも、社内側の“最小限の時間”は必ず必要 になる
ということです。
打ち合わせの時間
業務フローを説明する時間
試した結果にフィードバックを返す時間
この最低限のリソースがないまま、「丸投げ」でうまくいくAI導入はまずありません。
なので、
社内で誰かの時間を“AI推進枠”として確保する(選択肢1)
その上で、外部パートナーを入れてスピードを上げる(選択肢2)
という順番で考えると、現実的でバランスがいいのかなと思っています。
「時間の意思決定」と「4つの壁」
我々は、AIが社内に定着していくプロセスには、ざっくり 4つの壁 があると考えています。
(詳細はこちらの記事をご確認ください)
試してみる
可能性を感じる
業務に試してみる
成功体験を得る
今回の「忙しくてAIどころじゃない」という状況は、
実はこの 1〜3の壁のどこかで止まっている ことが多いです。
専任の時間をつくる →
→ 1「試してみる」、2「可能性を感じる」を乗り越えやすくなる外部パートナーを入れる →
→ 3「業務に試してみる」、4「成功体験を得る」まで一気に持っていきやすくなる
つまり、
「時間の意思決定」= 4つの壁を越えるためのスイッチ
だと言い換えてもいいかもしれません。
きっかけがまだない会社こそ、「手を動かす場」をつくる
ここまで読んで、
「うちは、そもそもまだ“きっかけ”すらないんだよな…」
と感じた方もいるかもしれません。
そういう会社さんほど、まずは “みんなで手を動かす場” をつくるところから始めるのが良いと思っています。
たとえば:
社内で「AI体験ワークショップ」のような時間をつくる
1〜2時間でもいいので、座学ではなく、手を動かすワーク形式にする
実際の自社業務の一部を題材にして、みんなで試してみる
この「みんなで一度、本気で触ってみる経験」があるかどうかで、
その後の温度感は大きく変わります。
まとめ:変わるためには、「時間の置き方」から変えるしかない
忙しいのは、どの会社も同じです。
むしろ、忙しい会社ほど、AIのようなテコを効かせる価値が大きいとも言えます。
だからこそ、
誰かのカレンダーに、AI専任の時間をつくるのか
外部パートナーを入れて、一気に成功体験まで連れていってもらうのか
いずれにしても、「時間をどう確保するか」という意思決定を避けて通ることはできない、というのが僕の結論です。
そして、自分たちが今どのフェーズにいるのか
「まだ試せていないのか」「業務に落とし込めていないのか」「成功体験が足りていないのか」を一度冷静に見つめてみるだけでも、次の一歩は見えやすくなるはずです。
もし「うちの状況だと、どこから手をつけるべき?」というところからだったら、
それも立派なスタートなので、ぜひ遠慮なく相談してもらえたら嬉しいです。












































