
AI時代の勝ち筋は「手段」ではなく「設計」にある:業務フローをゼロベースで考えよう
2025/12/10
こんにちは、おぐりんです。
前回の記事では、ChatGPTが2022年11月30日にリリースされてからの3年間を振り返りながら、
最初は「ちょっと懐疑的」だったこと
触れば触るほど「思ったより20年早く未来が来た」と感じたこと
毎日8時間以上AIに向き合う生活にシフトしていったこと
GPTsの登場をきっかけに、「AIをどう組み合わせるか」というワークフロー/エージェントの時代が見えたこと
そして、今は「AIに触れないことのほうがリスクになる社会」に変わりつつあること
こんな話をお届けしました。
今日はその続きとして、これから数年でどんな変化が加速していくのか、そしてその中で僕たちはどう向き合うべきなのかを、少し具体的に考えてみたいと思います。
ワークフローとエージェントが「当たり前」になっていく
直近で一番大きなトピックは、やっぱり ワークフロー と エージェント だと思っています。
今はまだ、一部の先駆者的な企業や個人がどんどん事例を作っているフェーズですが、このあたりがもっとオープンになってくると、
「じゃあ、うちの会社ではどう組める?」
「このフロー、エージェントで置き換えられない?」
というディスカッションが、あらゆる会社で本格的に始まるはずです。
2025年の今は、ようやく “使える” ワークフロー/エージェント機能が増え始めている段階。おそらく2026年あたりから、「一部の先進企業の取り組み」から「各社で検討するのが当たり前」 というフェーズに入っていく感覚があります。
次に来る大きな変化①:コンテキストの深まり
じゃあ、これから画期的な何が起きるのか。
僕は1つ目のポイントとして、「コンテキスト(文脈)の理解が深まること」 を挙げたいです。
今のAIは、まだまだコンテキスト理解が十分とは言えません。
さっき言った前提を忘れてしまう
日常的な思考の流れや、会社の議論の履歴をちゃんと踏まえられない
その結果、「うん、悪くないけど惜しい」アウトプットになってしまう
こういう「ズレ」を感じる場面は、まだまだ多いと思います。
これからは、個人・組織の背景情報や履歴を前提にしたアウトプット がもっと当たり前になっていくはずです。
「さっき言ったよね」がどんどん減り、コンテキストをしっかり咀嚼した上での提案が出てくる。ここはかなりベーシックだけど、大きな変化になると思っています。
次に来る大きな変化②:日常サービスへの“溶け込み”
もう1つの流れは、AIが「専用サービス」ではなく、日常で使っているサービスの中に溶け込んでいくことです。
例えば:
Googleの Notebook LM によるスライド作成
Gemini や ChatGPT から直接プレゼン資料を生成する機能
ドキュメント/スプレッドシート/メールなど、既に使っているツールの中にAIが常駐する世界
これまでも Genspark や Manus など、専用のAIツールでスライド生成は可能でしたが、
「わざわざ新しいサービスに登録して、課金して、使い方を覚える」
というハードルがあり、多くの人にとっては“遠い存在”だったと思います。
一方で、すでに日常的に使っているGoogleやOffice、ChatGPTの中に機能として入ってくると、そのハードルが一気に下がる。
このインパクトは本当に大きいと感じています。
ワークフローやエージェントも同じで、「一部のツールマニアだけが扱える世界」から、「誰でも、いつものツールの延長で使う世界」に移っていくはずです。
それでも、AIはやっぱり「手段」でしかない
ここで大事なのが、前回の記事の最後でも触れたこの視点です。
AIは、あくまで手段でしかない。
これはこのマガジンの中でも何度もお伝えしている話ですが、
今後ワークフローやエージェントが当たり前になればなるほど、ますますこの前提が重要になっていくと感じています。
エンドユーザーからすると、
それがAIかどうか
どのモデルを使っているか
正直どうでもよくて。
「自分の課題がちゃんと解決されるか」
「期待しているクオリティに達しているか」
ここだけが問われます。
クオリティに達するならAIでいいし、達しないなら人が手直しする。
本当に、それだけの話なんですよね。
だからこそ企業も個人も、
AIを使って何を実現したいのか?
誰のどんな行動や感情を変えたいのか?
この問いを、これからさらに強く持たなければいけないと思っています。
手段が変わるとき、ワークフローは一度“ゼロ”に戻したほうがいい
AIが手段として大きく変わるということは、
これまで「専門家に頼らないとできなかったこと」が、誰でも・高速に・安くできるようになる ということでもあります。
必ず外注していたデザイン
専門部署だけが触れていたデータ分析
一部の人しかいじれなかった社内システム
こういった前提が、どんどん崩れていく。
そうなると、本来はこう考える必要があります。
「今ある業務フローをAIで置き換える」のではなく、
「AIが前提の世界だったら、そもそもこのフロー必要だっけ?」
つまり、一度 既存の業務フローを全部取っ払って、ゼロから考え直せるかどうか が、これからの企業に問われる力だと思っています。
A → B → C と人が手でやっていたプロセスを、そのままAIにやらせるのではなく、
AとCだけでいいのでは?
そもそもBは自動計測に変えられないか?
この承認プロセス、本当に必要?
こういった問いを投げ続けられる企業が、これからの時代の“スタンダード”を作っていくんだろうなと感じています。
おわりに:これからをどう「デザイン」していくか
ワークフローやエージェントの本格化、
コンテキスト理解の進化、
日常サービスへのAIの溶け込み。
こうした流れは、もう止まらないと思います。
だからこそ僕たちに必要なのは、
どんな社会になってほしいか
その中で、自分や自社はどんな価値を出したいのか
を考え続けることです。
AIの進化にただ驚くだけの「AI驚き屋」で終わるのか。
それとも、手段が変わることを前提に、自分たちの働き方やビジネスのあり方を再設計していく側に回るのか。
この分岐は、これからの数年でますます大きな意味を持ってくると感じています。












































