Aidia

思考停止する人、思考加速する人。AI時代の分かれ道。

こんにちは、おぐりんです。

今日は「AIを使うと人は考えなくなるのか?」というテーマでお話ししたいと思います。
これは企業の現場でも、学校教育の現場でも、そして日常の中でもよく聞かれる問いです。
私自身、学校法人の顧問として関わる中でも、教育や人材育成の文脈でこのテーマを取り上げることが多くなってきました。

正直なところ、考えなくなる人は増えると思う

結論から言えば、「考えなくなる人は確実に増えるだろうな」と思っています。
AIに質問すれば、ある程度もっともらしい答えが返ってくる。
そうすると、「AIが言ってるから」とか「答えが出たからいいや」と、思考を止める人が出てくるのは避けられないと思うんですね。

一方で、思考力が増している人もいる

ただ、これとは逆に、AIを使うことでむしろ思考の量も質も増している人もいるというのが現実です。
AIを“道具”として使いこなし、自分の仮説を深めたり、問いを洗練させたり、フィードバックをもらいながら思考を拡張している。

結果として、

「思考停止する層」と「思考を強化する層」の差はどんどん開いている

と私は感じています。

このままだと、誰でもいい仕事ばかりになってしまう

企業現場で特に危惧するのは、思考停止が習慣化されていくと、「この人である必要はない」仕事ばかりが増えるという点です。
誰がやっても同じことしか返ってこない。それはAIと変わらない。

そうなってしまうと、会社の中でユニークな人材や、判断力のある人材がどんどん減ってしまう。

だからこそ、AI時代には「考えられる人」をどう育てるかがますます大切になってきます。

教育現場でも「考える」設計が必要

これは企業だけじゃなく、教育の現場でも同じ。
AIをどう使うかというよりも、「問い直す」「考え抜く」という設計があるかどうか。

つまり、AIに慣れた子どもたちが

  • その答えを鵜呑みにせずに深掘りできるか?

  • なぜ?どうして?と考え続ける力を失わずにいられるか?

こうした教育設計をできるかどうかが、これから非常に重要なポイントになっていくと考えています。

AIの答えを採用する前に、自分が残す3つの判断

では、AIの答えを受け取ったとき、どこで自分の思考を止めずにいられるでしょうか。私は、答えの文章を直す前に、次の三つの判断を残しておくことが大切だと思います。

  1. 自分の仮説と前提を一文にする。何を実現したくて、今どの条件が成り立っていると考えるのかを、AIの提案を見る前に書きます。

  2. 別案、反対理由、前提が崩れる条件をAIに求める。最初の答えを磨くだけでなく、違う見方と弱点を出してもらいます。

  3. 採用か保留かの理由と、次に確かめることを自分で残す。AIの文章が整っていることと、自分たちの目的に合うことは別です。

ここで残したいのは、AIを使った記録だけではありません。「なぜそれを選んだか」と「何が分かれば判断を変えるか」です。これがあると、後から結果を見て、自分の仮説まで戻って考え直せます。

社内提案を例に、3つの判断を考える

ここでは、部署内の問い合わせ対応を見直す社内提案を例に考えてみます。AIに提案を作ってもらったところ、「すべての問い合わせに自動返信を導入する」という、整った答えが返ってきたとします。

まず自分の仮説を一文にします。「担当者が同じ説明を繰り返す時間を減らしたい。ただし、相談内容によっては人が背景を聞き取る必要がある」。これなら、速さだけでなく、守りたい対応の質も前提に入ります。

次にAIへ、「自動返信以外の案は?」「この案に反対する理由は?」「どんな問い合わせが増えたら前提が崩れる?」と聞きます。回答を採用するための確認でなく、自分の提案を揺さぶるための問いです。

最後に、自分の判断を書きます。たとえば「定型的な案内だけ先に試す。相談の意図が読めないものは人が対応する。試した後は、担当者の負担だけでなく、返信を受けた人の困りごとも確認する」。これは一つの仮の判断です。自分の仕事なら、採用する理由、保留する条件、次の確認をどう書くでしょうか。

AIと考えるときの問いの作り方は、「問い直す」ことを扱った記事でも取り上げています。答えを受け取る側の判断を残すことと、問いを磨き続けることは、つながっています。

こうした判断を一人の工夫で終わらせず、仕事の中で練習したい方は、AidiaのAI研修もご覧ください。まずは身近な提案を一つ選び、三つの判断を書き残すところから始めてみてください。